時価総額はビットコインに次ぐ2位
現在、最も有名な仮想通貨はビットコインですが、その次に注目されている仮想通貨がイーサリアムです。
2017年8月11日現在、時価総額はビットコインに次ぐ2位で3兆円あります。
2017年1月には1000円前後だったのが急上昇し、2017年6月には約43000円の最高値を付け、約43倍にもなっています。
イーサリアムの特徴「スマートコントラクト」
同じ仮想通貨であるビットコインとの大きな違いとして、スマートコントラクトという技術を利用している点が挙げられます。
スマートコントラクトは、取引で行われる契約を自動的に実行して保存する機能があり、スマートコントラクトを利用することで契約を自動的に実行することが可能です。また、スマートコントラクトによって契約を実行すると、実行内容はネットワーク上に保存されます。
ビットコインの場合でも、取引記録はブロックチェーン上に保存されますが、イーサリアムでは契約内容までネットワーク上に保存できることになります。
つまり、中央機関や金融機関を介さずに、企業や個人間で契約内容を自動執行できるということです。
また、契約内容の全てが分散型ネットワーク上に記録され、世界中の誰でも内容を精査、監査できるようになっているため、取引内容が偽造されたり、改ざんされたりすることは難しく、信頼性の高いシステムと言えるでしょう。
値上がりの原因
上述した通り、2017年に入ってからの大幅な上昇の原因には以下3点が考えられます。
・ICOの決済手段はイーサリアムが多い
2017年の初めの頃くらいからでしょうか、イーサリアム上でERC20という規格を利用したトークンを発行し、
それを投資家に販売するICO(Initial Coin Offering)が仮想通貨界隈で大ブームになっています。
募集から数時間で数十億円、数百億円を集めたICOがゴロゴロあります。
これらのICOの決済手段としてイーサリアムが使われており、ICOがブームになればなるほど、
イーサリアムへの買い需要が高まります。また、プロジェクトへ投資されたイーサリアムはしばらくの期間、ロックアップされることが多いので市場への供給数が減り、その結果、価格が上がりやすくなるという傾向にあります。
・イーサリアムのETFの計画も進んでいる
仮想通貨を対象にしたETFは、ウィンクルボス兄弟のビットコインETFが2017年3月に否認され再請求も却下されていましたが、
一方でイーサリアムに関しては、2016年7月にイーサインデックス社によりNYSE Arcaへの上場が申請され、米証券取引等監視委員会(SEC)によりイーサリアムETF(Etherindex Ether Trust)の審査が徐々に進みつつある状態にあります。
イーサリアムの価格上昇を後押しすることになりました。
・マイクロソフト、JPモルガン・チェースなどの大手企業との提携が進んでいる
2017年2月に、マイクロソフト、JPモルガン・チェースなどの欧米の大手企業を中心とした30社による「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)」が設立され、イーサリアムのブロックチェーン技術を企業取引に応用するための研究や標準仕様の制定などを進めており、その後も2017年5月には、三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車の子会社も加入し、さらに大きな企業連合となっています。
それによる信用力の向上や取引の拡大を期待して価格上昇につながっています。
一方で性能は発展途上
2017年6月20日に実施されたStatusのICOにおいて、イーサリアムの取引ネットワークが混雑し、オーバーロードを引き起こしました。
まだまだ問題点はありますが今後の発展に期待しましょう。