VALUとは?
VALUは、ビットコインを用いて各個人が自分の価値を売買できるマイクロトレードサービスです。
2017年5月31日にベータ版がリリースされ、2017年6月にサービス開始されました。
VALUに登録すれば、個人個人が株式会社のように自分の価値を「VA」と呼ばれる模擬株式として発行できます。
登録時には、ソーシャルメディアのフォロワー数・友達数に応じて各個人の時価総額を自動的に算定し、影響数が多い人ほど多くのVALUが発行されるような仕組みになっています。最初は発行者が自分のVALUを全て所有している状態で、それをVALUERと呼ばれる投資家側に売却することでビットコイン建ての資金を調達し、サービスの運営・開発などの資金として使うことが可能です。また、VALUには一般の株式のように、株式優待を付けることも可能です。
炎上騒動の内容
2017年8月10日に、Youtuberのヒカル氏がVALUを開始し、初値は5829円で取引されました。
ヒカル氏が所属している事務所であるネクストステージに所属しているYoutuberのラファエル氏、禁断ボーイズのいっくん氏も同時期にVALUを開始しました。
ヒカル氏は5万VA、ラファエル氏は2万VA、いっくん氏は5万VAを発行して、そのうちの数%を売り出しました。
2017年8月14日に、ヒカル氏たちは、VALU保有者限定のオフ会かセミナーを予定している等の、自分たちのVALUを買いあおるツイートを投稿しました。(現在は削除されています。)
ヒカル氏のVAが4連続ストップ高になり、2017年8月15日には、29509円の高値を付けました。
その日の早朝に所属事務所ネクストステージの顧問である井川氏が保有していた3人のVAを全て売却し、数百万円の利益を確定し、その後昼過ぎには、ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏が全発行VAを売りに出しました。
それにより、3人は数千万円単位の利益を得ましたが、VAの価格は大幅に下落し、購入した投資家は大きな含み損をこうむることになりました。
2017年8月15日には、3人とも買いあおりともとれる内容のツイートを全て削除しました。
このような内容を受け、投資家たちは、期待をあおって価格を高騰させ自分だけ売り抜けるのは不当、
井川氏のVA売り抜けはインサイダー取引にあたるのではと批判しています。
そして収束へ
2017年8月16日にVALU運営会社から、ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏のVALUに対する現在の売買注文を全てキャンセルするのと、一連の取引でVALU運営側が得た手数料(売買額の1%、自身のVAの売却時は10%)は、VALUがミッションとしている「人の価値を発掘し、高める。」と同様の意向を掲げている組織へ寄付することを発表しました。
また、利用者保護を最優先に考えたルールづくりに着手する旨も発表されています。
2017年8月17日、ヒカル氏たちからTwitterで説明と謝罪がありました。
「自分たちの価値を比べて、誰が一番価値のある人間かを競う」という企画だったという説明と、
わざわざ数千万のために自分の信用を落とすような小銭稼ぎをしない旨の説明がありました。
そして、売却したVALUは、自身で買い戻したいとの意向で、VALUの売却で出に入れたビットコイン(5465万円相当)を使って、最高値近辺の0.06BTCで買い戻しを行いました。
弁護士の見解としては、VALUは特定有価証券等に該当しないので、風説の流布やインサイダー取引規制の対象にはならず、違法性は無いとの判断です。